3C分析とは、
1.「顧客(Customer)」
2.「競合(Competitor)」
3.「自社(Company)」
この3つ(3C)の情報から成功要因(KSF key success factor)を見つけ出し、自社の「強み」「弱み」を特定するための分析です。
成功要因は、次の10の要因に分類されます。
・市場の成功要因
1.マーケットシェア(市場占有率)
2.マインドシェア(顧客認知度)
3.ハートシェア(好感度)
・マーケティングの成功要因
4.製品(商品、サービス)
5.価格
6.流通(場所)
7.プロモ−ション
8.人(販売スタッフ)
9.業務プロセス
10.物的証拠
それでは、実際に事例に沿って3C分析を見て行きましょう。
携帯電話の市場は、社団法人電気通信事業者協会の統計資料によると、日本国内では年間、約500万人の契約者が増え続けています。
また、各メーカーの市場占有率は、2009年5月の時点で、以下のようになっています。
では、ここで業界3位のソフトバンクモバイルについて見て行きましょう。
ソフトバンクモバイルは、社団法人電気通信事業者協会の統計資料によると日本国内で順調に契約者数を増やしていることがわかります。
ところで、携帯電話の市場全体では、現在のところ毎年約500万人ずつ契約者数が増えていますから、市場占有率19%のソフトバンクモバイルは、市場の成長性から判断すると、毎年95万人の顧客が増えるはずです。
ところが、2008年5月から2009年5月の1年間の新規契約者数は、189万人増えています。つまり、94万人はソフトバンクモバイル自身が何らかの理由(成功要因)で増やしたと判断できます。
そこで、その成功要因は何かを調べてみると2009年の決算報告書に次のような資料がありました。
この資料によると、ソフトバンクモバイルは一人当りの平均月額支払額がここ3年間、約5800円と変わりませんが、その内訳けを見ると、
1 端末割賦料金によって初期費用がかからない
2 新端末(携帯電話)の販売に成功している
3 基本料金は減少している
4 データ料金が増加している
この4つの特徴がわかります。
つまり、ソフトバンクモバイルは端末を割賦料金にして基本料金を半額にする事で、データ購入の需要を喚起し、新端末販売、顧客獲得(新規、既存)に成功していることがわかります。
また、さらに2009年の決算報告書に次のような資料がありました。
この資料から、テレビコマーシャルによるプロモーションの強化も成功要因になっていることがわかります。
ここで、これらの成功要因(強み)をマーケティングの7Pのフレームに沿って整理しますと、次ようになります。
このように、ソフトバンクモバイルの成功要因をマーケティング要素の7Pのフレームに当てはめて整理することで、ソフトバンクモバイルは、製品、価格、プロモーションがマーケティングの強みだとわかります。
さらに、この製品、価格、プロモーションの強みを成功要因の10の要因のどれに分類できるかを判断し、5段階評価をすることで、ソフトバンクモバイルの成功要因(強み)を特定します。
では、ソフトバンクモバイルの阻害要因(弱み)とは何でしょうか?
ソフトバンクモバイルの阻害要因(弱み)は、ソフトバンクモバイルの競合他社であるNTTドコモ、au、eモバイルの成功要因を見つけ出し、5段階評価で競合他社の成功要因(強み)を特定することでわかります。
そこで、同様にして、NTTドコモ、au、eモバイルも市場(顧客)の特徴や動向からマーケットでの各社の成功要因を見つけ出し整理することで、携帯電話市場での成功要因や競争環境が明確になり、各社の「強み」、「弱み」も明確になります。
このようにして、3C分析では、市場(顧客)の特徴や動向からマーケットでの成功要因を見つけ出す事で、自社や競合他社の「強み」、「弱み」が明確になります。
※このページは、弊社がマーケティング研修でも使用しているテキストの一部を抜粋してウェッブサイト用に編集したものです。
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