ホーム
マーケティング戦略・知識「ニーズとは何か」

 ニーズとは何か

 ビジネスは、人の生まれ持った潜在欲求(シーズ)が様々な環境に応じて顕在欲求(ニ−ズ)に変化することから始まります。そして、ビジネスを成功させるためには、この「ニーズとは何か」を知ることが始めの第一歩となります。

では、ニーズについて具体的に見ていきましょう。


マズローの欲求5段階説

一般的に言われているニーズには、

 1 潜在ニーズ(シ−ズ)
 2 顕在ニーズ(ニ−ズ)

この2種類のニーズがあります。

潜在ニーズ(シーズ)とは、エブラハム・マズローが言うところの人が生まれながらにもった5つの欲求(生理的欲求、安全の欲求、社会的(所属と愛)欲求、尊敬欲求(評価の欲求 自尊心、認知、社会的地位)、自己実現の欲求 マズローの欲求5段階説)です。


たとえば、

 1 「のどが乾く」(生理的欲求)
 2 「安全な場所に住む」(安全の欲求)
 3 「友人を持つ」(社会的欲求)
 4 「尊敬される人物になる」(尊敬欲求 評価の欲求)
 5 「自分の夢を実現する」(自己実現の欲求)

といった5つの欲求です(1〜4は欠乏欲求。5は成長、創造的欲求)。

この5つの欲求には優先順位があり、人は、1→2→3→4→5の順番でしか欲求を満たすことができません。

たとえば、3の「友人を持つ」という欲求を満たすには、既に1の「のどの乾きを潤す」ことができ、2の「安全な場所に住む」ことができて、はじめて「友人を持つ」という欲求を満たすことができるといった優先順位が存在します。


原因結果の法則(因果律)

 ところで、ニーズをマーケティングの視点で見ると、ニーズはとてもシンプルな「原因結果の法則(因果律)」で、できていてます。

ニーズの原因結果の法則とは、潜在欲求(シーズ)は、何かの
要因によって顕在欲求(ニ−ズ)に変化し、さらに何かの要因によって何か(ウォンツ)を招くといった原因結果の法則です。

 
潜在欲求(シ−ズ) →  顕在欲求(ニ−ズ) →  製品(ウォンツ)
 原 因      要因1 現 象      要因2 解決策(結果)

たとえば、運動をすれば、

 「のどが乾く」 → 「のどを潤したい」 → 「スポーツ飲料を飲む」
  潜在欲求  運 動  顕在欲求  購買活動  製品
  原 因   要因1  現 象   要因2   結 果

「運動」という要因1によって「のどが乾く」という潜在欲求(シーズ)が「のどを潤したい」という顕在欲求(ニーズ)に変化し、「購買活動」という要因2によって顕在欲求(ニーズ)が「スポーツ飲料」(ウォンツ)を飲むといった結果を招きます。

つまり、マーケティング的には、

 運 動     → 購買活動    →  製品
 要因1(原 因)  要因2(現 象)   解決策(結 果)

と、いった流れが自動的にできあがります。

このようにニーズには、
とてもシンプルな「原因結果の法則(因果律)」が働きます。

ということは、逆に言ってしまえば、この
原因結果の法則が自社にどんな事業機会を創出するかが判れば、自社のビジネスを成功させられる可能性も飛躍的に上がります。

たとえば、仮にあなたの会社が靴のメーカーだったら、

 「靴を履く」  →  「靴が欲しい」 → 「靴を買う」
        原 因        結 果
 
        運 動
        移 動
        仕 事
         ・
         ・
         ・

と、書き出してみると、「靴」は、「運動」、「移動」、「仕事」・・・ という原因から、

 運動(原因)→ 運動に適した靴を買う(結果)
 移動(原因)→ 歩きやすい靴を買う(結果)
 仕事(原因)→ 作業がしやすい靴を買う(結果)
         ・
         ・
         ・

「運動に適した靴を買う」、「歩きやすい靴を買う」、「作業がしやすい靴を買う」という結果を招いています。

つまり、ニーズは、
原因結果の法則にあてはめて考えるだけでその本質的な購買要因がわかり、自社にどんな事業機会があるかが見えてきます。


引き寄せの法則(吸引の法則)

 このように「ニーズ」は原因結果の法則に沿って潜在欲求が顕在欲求に変化し購買活動を促す事はお判りいただけた思いますが、特にマーケッターや商品開発者が考えなければならないのが、購買活動から製品購入への流れです。

つまり、

 「○○が欲しい」 → 「我が社の製品を買う」

この流れをどのように設計するかです。実は、この流れには、引き寄せの法則(吸引の法則)が働いています。

引き寄せの法則とは、「自分が感情を持ってイメージしたものは、自分が望む望まないに関らず、自分に引き寄せる」といった法則です。

たとえば、オリンピックやワールドカップが近づくとテレビがよく売れますが、「オリンピックやワールドカップを見たい」という強い欲求は、日頃あまり意識していなかった自分が所有するテレビの「不満」を一気に爆発させ、テレビの購入欲求を喚起します。

つまり、

 「自分のテレビ」 → 「新型テレビ」(イメージ) → 「テレビ購入」
    原因                   結果(解決策)
        不満(感情)

といった流れで「感情(この場合、不満)」と「イメージ(この場合、新型テレビ)」がセットになると引き寄せの法則が働き販売機会が訪れます。

マーケッターや商品開発者は、この「感情」と「イメージ」に焦点をあてて市場を分析し、そのコア・コンピタンスを特定することも非常に重要です。

このように、「ニーズ」とは何かを知り、その法則性を見極めて市場や製品を分析できれば、自社の事業機会も創出できます。

 ※このページは、弊社がマーケティング研修でも使用しているテキストの一部を抜粋してウェッブサイト用に編集したものです。

本格的にマーケティングのスキルを身につけたいと御考えの方は、「オンライン商品」または、「社内セミナー案内」を御参照ください。


 マーケティング戦略・知識
 インフォメーション
(c) Copyright 2009 ACR BCL All rights reserved