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 ターゲティング(targetting)


ターゲティング(targetting)
 セグメンテーションで事業領域を決定し、参入するセグメントを分割した後、次に行うのがターゲティングです。

ターゲティングでは、セグメンテーションで分割されたどのセグメントを選択し、
セグメント内にどのような顧客、競合他社が存在し、どのような競争が行われていのるか調べ、自社が最も競争優位になるにはどうすれば良いのかを検討します。

まず、最初にセグメントを選択
する基準は、

 1 セグメントの規模と成長性(規模や成長性は自社にとって適正か?)
 2 セグメントの収益性(収益性は、自社にとって魅力的か?)
 3 自社の目標と資源(セグメントは自社の目標に合致しているか?
   参入するための資源は自社にあるのか?)

この1〜3の基準でセグメントを選択
します。そして、自社が選択したセグメントに対して3C環境から発生する5つの力を分析(ファイブ・フォース・アナリス)し、自社の判断は適切なのかを評価します。

5つの力を分析(ファイブ・フォース・アナリス)は、下図のような、

 1 新規参入業者の力(新規参入する可能性のある業者を
ターゲティング)
 2 代替品の力(自社の脅威となる代替品となる業界、
   製品、業者を
ターゲティング)
 
3 買い手の力(重要な仕入れ先をターゲティング)
 4 売り手の力(重要な販売先(BtoB)、顧客(BtoC)を
   
ターゲティング)
 5 競合他社の力(重要な競合他社を
ターゲティング)

の1〜5の5つの項目に沿って、重要な要素を
ターゲティングして分析をします。

ターゲティング(targetting)ファイブ・フォース・アナリス

それでは、5つの力を分析(ファイブ・フォース・アナリス)の事例を見ながらどのようにセグメントを分析・評価するのか印刷業界を例に考えてみましょう。

印刷業界では、アップル社やアドビ社を中心としたコンピューター業界のイノベーションによってDTP分野が登場しました。

印刷業界のDTP分野は、初期の頃、設備投資額を大きく下げ収益性を大きく上げたため業界は活気づき短期間で成長期を迎えました。

しかし、その成長期も異業種
の多くの企業の参入によって市場がすぐに成熟してしまい、僅か3年程度で市場が衰退し始めたのです。

その根本的な原因は、DTP分野は印刷業界にとって制作期間や品質を向上させ、資本投資額を減少させるという長所がありましたが、同時に売上高を減らし、買い手の力を強化してしまう短所があったのです。

印刷業界でDTP分野が売り上げに貢献する製品は、書籍、マニュアル、カタログ、雑誌等のページもの類です。そして、これらの印刷物の費用の配分は、制作する冊数にもよりますが、平均的にDTP分野が全体の30%〜60%程度を占めています。

たとえば、カラーのカタログを作リ、その総額の費用が1000万円だったとすると、DTP分野が300万〜600万程度の売上高を占めていました。

このDTP分野の売上高は、短期間に市場が成熟するにつれて、印刷業界の印刷業に売り上げが流れ込むのではなく、DTP設備をもっている顧客や異業種や関連業種の分野の企業に売り上げが流れ込むようになってしまったのです。

つまり、カラーのカタログを作リ、その総額の費用が1000万円だったとすると、DTP誕生以前の印刷業界では1000万円の売上高が期待できたのですが、DTP分野が成熟するに連れ、1000万円の売上高が400万円〜700万円程度しか期待できなくなったのでした。

そして同時に、大がかりなDTP設備を必要としないDM、チラシ、ハガキ、名刺、封筒等の印刷物の分野も、インターネット広告、電子メール、ホームページ、プリンター等が代替品となり、印刷業全体の売り上げが極端に減少し始めたのでした。

ターゲティング セグメントに働く5つの力を分析(ファイブ・フォースアナリス)

印刷業界の解決策は、新たに業界を革新するような技術やビジネス・モデルの提供が必要になります。つまり、今後の印刷業界の新たなニーズは、新たな事業領域(市場)を獲得するための技術やビジネス・モデルが必要となるのです。

そして、
仮にあなたの企業の製品が印刷業界の技術革新やビジネス・モデル革新をするとすれば、あなたの企業は、大きな事業機会であることを意味しているのです。

そこで
、あなたがこの業界へ参入を検討するのなら、印刷業界を

 1.今後伸びて行く印刷業界のニッチな事業領域(セグメント)
 2.現在伸びている印刷業界の事業領域(セグメント)
 3.衰退していく印刷業界の事業領域(セグメント)

の3つの事業領域(分割する数や変数は状況次第)でセグメンテーションし、自社が強みを活かして参入できるセグメントを特定し、特定したセグメントを3つの基準で評価します。3つの評価とは最初に述べましたように、

 1 セグメントの規模と成長性(規模や成長性は自社にとって適正か?)
 2 セグメントの収益性(収益性は、自社にとって魅力的か?)
 3 自社の目標と資源(セグメントは自社の目標に合致しているか?
   参入するための資源は自社にあるのか?)

この1〜3です。このようにして、業界の5つの力の情報(現在の業界の状況の情報)を収集し、5つの力の分析(ファイブ・フォース・アナリス)を行ない、参入するセグメントの3つの評価を行うことで、ターゲティングを行います。

 ※このページは、弊社がマーケティング研修でも使用しているテキストの一部を抜粋してウェッブサイト用に編集したものです。

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