●マーケティングに対する誤認
マーケティングには様々な誤認があります。例えば、よくある勘違いで、セールス(販売促進)のことをマーケティングだと思っている方が多々いらっしゃいます。
しかし、マーケティングとは、顧客のニーズに沿って自社の7Pを決定することで、顧客に自社製品の購入を促すのがマーケティングです。
これに対してセールスとは、自社が決定した7Pに沿って購入しそうな見込み客を探し出し、製品販売するのがセールスです。
つまり、セールスとは、マーケティングとは全く逆のプロセスをたどり、マーケティングのほんの一部の活動にしかすぎません。
さらに、よくある勘違いにマーケティングがニーズを創造すると思われている方も多々いらっしゃいます。しかし、マーケティングはニーズを創造しません。
なぜなら、ニーズとは、「ニーズとは何か」で述べたように、人が生まれ持った欲求のことで、そもそもニーズは、マーケティングによって創造するのではなく、マーケティングによってウオンツ(オファー)に変化するのです。
では、具体的にマーケティングについて見て行きましょう。
●マーケティングの4つのプロセス
マーケティングは、次の4つのプロセスで出来ています。
1 調査・分析
2 計画
3 実施
4 評価・修正
この4つのプロセスです。では、この4つのプロセスを一つづつ見て行きましょう。
1 調査・分析
「調査・分析」のプロセスでは、マーケット・リサーチし、現状課題の解決策を見つけます。
2 計画
「計画」のプロセスでは、「調査・分析」において導かれた解決策を実現する計画を立てます。
3 実施
「実施」のプロセスでは、実際に計画を実行します。
4 評価・修正
「評価・修正」のプロセスでは、「実施」した結果に対する評価を行い、目的を達成するために必要な修正案を作成します。
以上がマーケティングの4つのプロセスです。マーケティングは、この4つのプロセスで出来ており、目的が達成されるまでこの4つのプロセスを繰り返します。
では、次にマーケティングの役割について確認しましょう。
●マーケティングの役割
マーケティングの役割とは、上述したように、既にあるニーズに対して企業が提示した7Pによって顧客に自社をオファーしてもらうのがマーケティングの役割です。
例えば、あなたが運動をして、のどが乾き、何か飲みたいと思ったとします。すると、以下のような行動の流れができます。
顕在ニーズ ウオンツ(オファー) 購買
のどが乾いた → ○○社の○○が飲みたい → ○○社の飲料を飲む
マーケティング ・・・
このように、ニーズがウオンツに変化するプロセスに沿って、自社の製品をウオンツ(オファー)してもらうのがマーケティングの役割です。
では、簡単なマーケティングの練習問題を1つやってみましょう。御存じの方も多いと思いますが、マーケティングの練習問題として最も有名な問題です。
●マーケティングの練習問題
問題 あなたは靴の販売をしています。ある時、あなたは裸足の島があることを知りました。あなたは、この裸足の島へ靴を売りに行きますか?
さて、どうでしょうか? あまりにも有名な問題ですが、解答例を書きます。
問題の解答例
裸足の島へ靴を売りに行かない。 理由:裸足の島では、靴を履きたいという欲求が顕在化しないため。
余談ですが、以前ある企業研修で、この問題をやっていただいた時、ある方がジョークで興味深い解答を書かれていましたので、ここで御紹介いたします。
問題の解答例
裸足の島へ靴を売りに行く。 理由:いつになるかわからないが、裸足の島の環境が変わり、靴を履かなければならないニーズが顕在化すれば、一人占めで靴が売れるから。
ここで、彼が言いたかったことは、靴を履く人がいない島で企業が意図的に欲求を顕在化させるのは難しいが、一旦ニーズが顕在化すれば、市場は早い者勝ちという意味だそうです。
確かに彼が言う通り、ある意味、早い者勝ち? かもしれませんね。(マインドシェアを独占することで戦わずして勝つ方法。 詳しくはポジショニングをお読みください。)
※このページは、弊社がマーケティング研修でも使用しているテキストの一部を抜粋してウェッブサイト用に編集したものです。
本格的にマーケティングのスキルを身につけたいと御考えの方は、「オンライン商品」または、「社内セミナー案内」を御参照ください。
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